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俺はそれを綾香に言いたかった。
だけど言えなかった。
そんなことを言ったら綾香に重くのしかかり、綾香にツラい思いをさせるだけだ…。
俺は今でも普通の結婚生活に憧れている。
仕事を終え、帰宅するとそこには温かいご飯が用意されている。
妻は優しく俺に声をかける。
『おかえりなさ~い!ご飯にする?それともお風呂にする?』
『パパ~!おかえり~!』
子供が俺に抱きつく。
そんな、誰でもしている当たり前の結婚生活に憧れている。
俺にはそれができなかった。
美人だとか、お金だとか、そんなことは望まない。
ごく普通の…当たり前の結婚生活がしたい。
それを綾香としたかった…。
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