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『ゴホッ…ゴホッ……
ケホッ……』
此処、○○病院の個室、606号室で咳をする少女が一人。
少女の名前は水無瀬梓。
まだ16歳とゆう若さで、白血病に体を蝕まれている。
『…咳………
前より酷くなったなぁ……』
梓はもぅ、
長くは生きられない。
それは梓も承知済みだった。
あたしさ、最初は何時死んでも良いと思ってたんだ。
長く生きられない体なら意味無い、って。
でも、今は無理だよ。
だって、アイツにまだ
[好き]って言えて無いもの。
『あたしってそんなに勇気無かったっけなぁ……』
思わず溜め息を溢す。
「先生!!
606号室の患者の病状が悪化しました!!」
「606号室は白血病だろう!!
………遅れたら危ないぞ!!!
急げ!!」
今日は梓の誕生日。
だが、病状が悪化した。
『ッ…………
おかーさ、ん…?』
「頑張って梓…!!
眠っちゃ駄目よ!!」
『うん…………』
「ちょっと先生と話してくるわね……」
パタ、ン…
静かにドアが閉まった。
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