三本の木

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「兄ちゃん、こっちは駄目だったよ…。」 「あっちも駄目だった。」 「そっか…。じゃあ、もう何処へも行けないね。」 「そうだな…。」 二羽の小鳥が悲しそうに話す。 この小鳥の兄弟はまだ遠くへは飛べない。 「兄ちゃん、何でここは土だけになっちゃったの?」 「人間が住むんだって。母さんが言ってた。」 「人間は木に住まないの?」 「そう…みたいだな…。」 二羽の小鳥は更地になった森を歩き続けた。 もう何日も食事を取っていない。 二羽の小鳥は衰弱しきっていた。
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