三本の木

3/4
前へ
/4ページ
次へ
「兄ちゃん、歌おうよ。」 一羽の小鳥が笑って言った。 「何で?」 もう一羽の小鳥は不思議そうに言った。 「母ちゃんがね、言ってたよ。死ぬ前に歌うとね、木が一本生えるんだって!ちゃんと最期の最期まで明るく歌ったら、立派な木が生えるんだって!!」 「それで母さん、死ぬ前に歌ってたのか…。」 「うん。だから一緒に最期まで歌おう。そしたら二本生えるよ。」 「そうだな。」 「ねぇ、兄ちゃん…。生まれ変わったら、歌でできた二本の木にまた一緒に暮らそうね…。」 「違うだろ。母さんのもあるから三本だ。また三人で暮らすんだよ。」
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加