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「…ト…イト…フェイト!」
「うわっ!」
いきなりの大声でフェイトは飛び上がるように起きた。
「やっと起きた…遅すぎるよ…」
「真帆…?」
「見たらわかるでしょ…」
「そうだな…」
あれだけ激しい戦いをして二時間程度で目を覚している。前よりも起きる時間が早い…と、いうより早すぎる…もしかしたら自分の力を制御できかけているのかもしれない。
「話はアイスさんから聞いたよ」
「そうか…なら話は早いな」
「ホント勝手なんだから!みんなにはなんて言えばいいのよ!」
真帆は怒っているのかわからなく、少し笑って見えた。
「悪かったよ…」
「別にいいんだけどね…魔法界にも来れたし」
やはり喜んでいるようだ…アイスから話を聞いたと言うことは、命がかかる危険な任務ということも聞いているはずだ。それなのに、こんな笑顔で言われるとどうも調子が狂ってしまう。
「ホントに大丈夫なのか?」
「私は選ばれたんだよ…大丈夫に決まってるよ…」
真帆の表情を見る限りでは強がっているだけのようだ。魔法界に来れたことはうれしいが、命のかかる任務に就くことが嫌という複雑な気持ちなのだろう…
「真帆…」
コンコン…
フェイトが何かを言いかけようとすると、ドアをノックする音が聞こえてきた。
「王の支度が出来ました…今から謁見の間に来て下さい」
「わかった」
いよいよ王との面会時間が来たらしい…いままでどれだけ待たされたことか…
「行こっか」
「ああ…」
結局フェイトは真帆に何も言えないまま、王のいる謁見の間に向かうことになった。
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