第5章

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「…ト…イト…フェイト!」 「うわっ!」 いきなりの大声でフェイトは飛び上がるように起きた。 「やっと起きた…遅すぎるよ…」 「真帆…?」 「見たらわかるでしょ…」 「そうだな…」 あれだけ激しい戦いをして二時間程度で目を覚している。前よりも起きる時間が早い…と、いうより早すぎる…もしかしたら自分の力を制御できかけているのかもしれない。 「話はアイスさんから聞いたよ」 「そうか…なら話は早いな」 「ホント勝手なんだから!みんなにはなんて言えばいいのよ!」 真帆は怒っているのかわからなく、少し笑って見えた。 「悪かったよ…」 「別にいいんだけどね…魔法界にも来れたし」 やはり喜んでいるようだ…アイスから話を聞いたと言うことは、命がかかる危険な任務ということも聞いているはずだ。それなのに、こんな笑顔で言われるとどうも調子が狂ってしまう。 「ホントに大丈夫なのか?」 「私は選ばれたんだよ…大丈夫に決まってるよ…」 真帆の表情を見る限りでは強がっているだけのようだ。魔法界に来れたことはうれしいが、命のかかる任務に就くことが嫌という複雑な気持ちなのだろう… 「真帆…」 コンコン… フェイトが何かを言いかけようとすると、ドアをノックする音が聞こえてきた。 「王の支度が出来ました…今から謁見の間に来て下さい」 「わかった」 いよいよ王との面会時間が来たらしい…いままでどれだけ待たされたことか… 「行こっか」 「ああ…」 結局フェイトは真帆に何も言えないまま、王のいる謁見の間に向かうことになった。
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