48人が本棚に入れています
本棚に追加
謁見の間に着くと、王は王座にどっしりと座って待っていた。
(この人が魔法界の王様…でも、誰かに似てる気がする…)
真帆がイメージしていた王様とはあまりにもかけ離れていて…歳は四〇代前半くらいで、軟らかい表情をしていた。とてもフェイトの暗殺命令を出す人とは思わなかった。
しかし、さすが魔法界を束ねる人だ…今まで会ってきた魔法使いとは次元が違う気がする…
「よく来たなシミズマホ」
「はい…お会いできて光栄です」
「無理矢理連れて来させたんだろ…」
フェイトは王に聞こえるような声で静かに口を挟んできた。当然王にも聞こえていて、フェイトのことを少しにらんでいるかのようだった。
「まあそうかたくならないで、自分の家だと思ってくつろいでくれ」
しかし、さすがそこは大人だ…フェイトのことは気にもかけることなく、話を続け始めた。
「は、はい…」
「改めて私が魔法界の王、ラムス・アルディスカ・ベルコフだ…よろしく」
「よろしくお願いします」
自己紹介が終わると、王は真帆に握手を求めてきた。真帆もそれに答え手を出して二人はかるく握手をした。
「では…さっそく本題に入らせてもらうが…」
「ちょっと待て…」
「フェ、フェイト!?」
またフェイトが話の途中で口を挟んできた。しかし、なんでフェイトはこんなに王を嫌っているのだろう…やはり命を狙われているからなのだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!