第5章

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謁見の間に着くと、王は王座にどっしりと座って待っていた。 (この人が魔法界の王様…でも、誰かに似てる気がする…) 真帆がイメージしていた王様とはあまりにもかけ離れていて…歳は四〇代前半くらいで、軟らかい表情をしていた。とてもフェイトの暗殺命令を出す人とは思わなかった。 しかし、さすが魔法界を束ねる人だ…今まで会ってきた魔法使いとは次元が違う気がする… 「よく来たなシミズマホ」 「はい…お会いできて光栄です」 「無理矢理連れて来させたんだろ…」 フェイトは王に聞こえるような声で静かに口を挟んできた。当然王にも聞こえていて、フェイトのことを少しにらんでいるかのようだった。 「まあそうかたくならないで、自分の家だと思ってくつろいでくれ」 しかし、さすがそこは大人だ…フェイトのことは気にもかけることなく、話を続け始めた。 「は、はい…」 「改めて私が魔法界の王、ラムス・アルディスカ・ベルコフだ…よろしく」 「よろしくお願いします」 自己紹介が終わると、王は真帆に握手を求めてきた。真帆もそれに答え手を出して二人はかるく握手をした。 「では…さっそく本題に入らせてもらうが…」 「ちょっと待て…」 「フェ、フェイト!?」 またフェイトが話の途中で口を挟んできた。しかし、なんでフェイトはこんなに王を嫌っているのだろう…やはり命を狙われているからなのだろうか。
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