第6章

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「なるほど…地の魔法使いだったのか…」 地の魔法は他の魔法とは違い物理的なので、物を運ぶときにもよく使われる魔法なのだ。 「それとこの姿を見せるわけにはいかなかったからだ…」 そう言うとフェイトは今までに見たことのない顔になり、気合いを入れて魔力をため始めた。 「なんだ…」 「ハァァァァ…!」 「魔力の流れが変わった…まさか…!」 「気づいたみたいだな…オレが今から何をしようとしているかが…」 フェイトがしようとしていることは、フェイト自身も嫌いだった学校を消し去ったときの魔法…つまり禁呪だった。 「あの時と同じ事をする気か?」 「あの時とは違う…今度は守るから…アクセルスキルアクスキル…」 フェイトが詠唱を始めると、周りに今までにないくらいの魔力が集まってきた。 「ちぃ…」 「来たれ火の精、風の精、水の精、地の精、氷の精、雷の精よ…今集まり我に大いなる力を与えん…」 詠唱が終わるとフェイトの姿がどんどん変化していった。人間でも魔族でもない存在…そう、フェイトの使った禁呪は術者自信が精霊になる魔法… この魔法を制御できる魔法使いは、今までに数える程しかいなかっただろう。だから禁呪と言われ、魔法学校の図書室の奥深くに置かれていたのだ… 「もう止められないな…」 魔族であるオールグですら弱気になって、勝負をすてかけている。
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