48人が本棚に入れています
本棚に追加
/148ページ
「よかった…元に戻って…」
「聞こえたぞ…カリンの声…」
「うん…」
カリンは今にも泣き出しそうな顔でフェイトに抱きついてきた。そんなカリンの姿を見るのはフェイトも初めてのことだった。
「修平も悪かったな…オレ、もう少しであの時と同じ事を繰り返すところだった…」
「当たり前だ…」
修平も泣き出しそうな顔をしていた。同じ事になりそうだったことが怖かったのか、フェイトが元に戻ったことがうれしかったのかは、そこにいる誰にも分からない。
「そう言えばオールグは…?」
「そこで倒れてるよ」
フェイトはカリンが指を指した方を見るとオールグが目をつぶって倒れていた。もしかしたら死んでしまったのかもしれないと思い、恐る恐る声をかけてみた。
「生きてるか?」
「ふん…魔族の生命力をなめるな…」
「そうか…よかった…」
「敵が生きていてよかったか…フッ…」
オールグはフェイトの言葉を聞いて鼻で笑った。そして、フェイトは何かを思いだしたのか急いで話し始めた。
「そう言えば真帆達は大丈夫なのか?」
「分からないの…他のみんなは西塔に向かってくれたけど、どうなってるかは…」
「…行かないと…」
「えっ…?」
フェイトは急に立ち上がり壁の方に向かって歩き始めた。
最初のコメントを投稿しよう!