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「あっ、そうだ…」
カリンは何かを思いだし、修平を叩くのをやめてオールグの元に駆け寄った。
「なんだ…?」
「あなたはこれからどうするつもりなの?」
「魔界にでも戻るさ…行く当てもなくなったからな…」
「それなら、もう一度家で働かない?」
その言葉は思いもよらない言葉で、オールグは驚きを隠せない様子だった。
「…なぜだ…?」
「家の両親があなたを追い出したのは、私を怖がらせないようにするためだったの」
「なぜそんなことを知っている?」
「私が魔法学校に入学したと同時に聞いたの。あの時は悪いことをしたなって、ずっと思い詰めていたみたいよ」
「しかし、今更戻ったところで…」
「あ~!もう!これはアルバーナ家からの命令です!」
「…ふっ…分かりました…お嬢様…」
カリンはオールグが決断をしない事に苛立ち、無理矢理働かせることにしてしまった。そして、オールグもその勢いに負けてしまったようで、少し笑うとカリンに手をさしのべた。
「契約成立ね」
カリンもオールグに手をさしのべて、二人は握手をした。
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