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兄の部屋からがたがたと物音がする。
兄が特攻服に着替えてる。
毎日夜に聞こえてくる物音だから何も珍しいことも、変わったこともない。
だけど私はなぜか
例えようのない不安に襲われた。
兄が外出しようとした時
私はダッシュで玄関に向かった。
兄が夜外出してることはみんな知っていたけど
あえて誰も何も言わなかったし知らないふりをしていた。
兄は驚き
「どうした?」
と私を見た。
真っ白な特攻服に沢山の文字
手には棒のようなものを持っていたけど
私を見た兄の目はいつもの兄。
私は兄を見て
「……お見送り」
と呟き
兄は爆笑していた。
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