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いとこたちは言った。
「あいつ(兄)暴走族だったんだな!だっせ!だから死ぬんだよ。」
「いい迷惑だよ。わざわざ葬式呼ばれてさ。お前らみたいなのと血が繋がってると思うと虫ずが走る。」
私だって同じだよ。
思ったけど口に出さない。
後ろには小さい妹たちがいるから。
何も喋らない私が面白くなかったのか
「きったね!それ片付けとけな!」
とほうきを投げ付けいとこたちは去って行った。
ごみだらけのお勝手口を私と妹は黙々と片付けた。
何故、こんなに敵意を剥き出しにされるのか理解できなかった。
理由のわからない敵意や憎悪に立ち向かえるほど、12歳の私は強くなかった。
私と妹は火葬場に行けなかった。
兄の最期の姿も、お骨を拾うことも、させて貰えなかった。
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