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「お前、遺書を読んだのか!」
はぁ??
一瞬ぽかんとしたが
すぐ状況を飲み込んだ。
おじさんも遺書に書いたのか。
“聡子と邦雄と同じ墓に入りたい”と。
「読んでない。おじさんが死ぬ前の日におじさんと話して、聡子さんや邦雄さんの話を聞いただけ。」
大ばぁは黙った。
多分一番言われたくない名前だっただろう。
自分がかたくなに守ってきたしきたりの下敷きになり、死んでいった人間の名前。
「私からもお願いするよ。おじさんは聡子さんや弟をもう許してる。だから一緒の墓に入りたいって言ったんよ。入れなかったら化けて出るんじゃない?」
最後のは、冗談ぽい軽い脅し。
大ばぁは私の兄を早瀬家の墓にいれさせなかった。
だから例え遺書があっても言うことを聞かないかもしれないと懸念していた。
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