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「足の具合は?」
まず、体の心配。
大ばぁはコクリと頷いただけだった。
…勢いがない。
おじさんが亡くなって、さすがの大ばぁも落ち込んでるみたいだ。
「それで、お墓の話なんだけど」
私はそう切り出して大ばぁの顔を伺った。
大ばぁは小さいため息をついて
「遺書を読んだか」
と言った。
「読んでないよ。本当に、前日におじさんと話した。もし自分が死んだら、聡子さんと邦雄さんと同じとこか、せめてそばに入れてほしいんだって。」
「聡子と邦雄の話を…あの子(おじさん)から聞いたのか…」
長い沈黙。
きっと、おじさんが私にした聡子さんと邦雄さんの話は、大ばぁにとって誰にも聞かれたくない話だったのだろう。
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