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きっかけは偶然からだろう。
昔から分家は不幸な家庭が多かった。
子供ができない、
短命、
女系、
離婚…
早瀬は、良くない血を寄せ付けやすいんだと大ばぁは言う。
確かに身近な例を取ってみても、父には姉が3人いるが、みんなどこかしら何かあった。
1番上の姉は20歳年上のバツイチの旦那をもらい、本家から嫌われていて
二番目の姉は家庭をかえりみない旦那で生活費も渡さなくて度々親族を集め家族会議を開かせ
三番目の姉は癌で50代の若さで亡くなっている。
そういえば、おじさんと聡子さんも子供ができなかったんだっけ。
聡子さんは本家血筋だから関係ないけど。
勿論父の姉たちに何か問題や不幸があるのは単なる偶然だ。
ただ、昔から何故か分家は不幸が多い、という偶然が重なっていたから
早瀬家は恐れた。
このままでは早瀬家は血が途絶えてしまう、汚い血に飲み込まれてしまう、と。
血を守らなくては
こういう概念ができたのは不幸のせいだ、と大ばぁは言う。
分家に不幸が続いてから、本家や直系家系、血筋は許婚を作るようになったみたいだが
それでも今みたいな無理矢理ではなく、聡子さんとおじさんのような、比較的自由度の高い許婚だったみたいだ。
それが崩れたのは、金が絡んだからだ。
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