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「あ、ちょっと陸、何その顔ー! そんな顔してると陸の引っ越し手伝ってあげないよー?」 「そーだそーだ」 唇を尖らせる沙奈の台詞に、八木くんが力強く頷く。 「それにしても本当に仲良いわよね、陸と心って。引っ越しのタイミングまで一緒だなんて」 「ね。まさか2人揃って引っ越すとは思わなかったよ」 続く愛子と川上くんの言葉に、一瞬手が止まる。 ーーそう。 あたしだけじゃなく、陸もこのマンションから出て行くことが決まった。 『心がここにいるから迷ってたけど、心が出てくなら迷う理由もないしな』 陸がそう決めたのは、つい今朝方のことだ。 実家にも早々に連絡をしたらしく、あたしの引っ越しが終わり次第、陸も荷造りを始めるとのこと。 そんなわけで、あたしと陸の’’お隣さん”という関係も、いよいよ終わりを迎える。
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