呼ばれて飛び出すおバカさん

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「え~と、鍵は、と」 自宅に着き、玄関の前で鍵を探す透。 なかなか見つけられないで居ると、可愛らしい声で自分の名前を呼ばれた。 声のする方へ視線を移すと、母親と手を繋いでいる女の子が居た。 透が住んでるマンションの側に住んでいる、加藤親子だ。 「透~っ」 透の名前を呼びながら走って透の元に来たまどかを、元気よく抱き上げる透。 「透~、はいこれっ」 まどかから渡されたのは、可愛くラッピングされたお菓子だった。 「いい匂いがするね」 「クッキー作ったのっ!」 「すげ~じゃん」 「形はちょっと崩れちゃってるけど、ちゃんと食べれるから安心して」 「あ、理恵さん」 二人のやり取りをみながらまどかの母親、理恵が二人の元に歩きながら口を挟んだ。 「今日から学校でしょ? どうだった?」 「また楓と同じクラスになっちゃいましたよ。 可愛い先生が担任になったから、楓がすげ~喜んでる」 「あはは、楓らしいじゃん。 透は嬉しくないの?」 「嬉しいか、嬉しくないかと聞かれれば嬉しいかなあ」
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