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「うっ、うわっ」
「何でこの人にちょっかい出してたんだよ」
「そ、それは…」
「言え」
「……。」
「言わねえとただじゃ済まねえぞ」
軽く手に力を入れてみると、男は先程よりも苦しがっている。
「解った、いっ、言うから話してくれっ」
男を解放してやると、男は尻餅をつき、ゴホゴホと咳をしながら透を見上げながら言った。
「たまにこの人を見かけてたんだ。
とても綺麗な人だし、僕の好みだったから待ち伏せして…」
男の話を遮る様に、ガスッという音が響いた。
透の足が男の腹の上にある。
「ゲホッ、ゲホッ」
「くだらねえ事してんじゃねえぞ。
小さい子供がいるのに…いっぺん死ぬかこの野郎」
「ひいぃぃっ、すいません!すいません!」
先程の態度とは打って変わって、男は土下座をして謝り始めた。
「俺に謝ってんじゃねえ、この二人に謝れってんだよ」
「本当に申し訳ありませんでしたっ!」
「お姉さん、コイツどうする?
警察に突き出す?」
「う~ん…警察はいいや。
ただし…オラアッ!」
「ぎゃああああぁぁぁぁっ」
恵理の蹴りは男の股間にクリティカルヒット。
男はそのまま気を失ってしまった。
この時ばかりは、流石に男に同情してしまった透だった。
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