呼ばれて飛び出すおバカさん

11/14

23人が本棚に入れています
本棚に追加
/265ページ
「うっ、うわっ」 「何でこの人にちょっかい出してたんだよ」 「そ、それは…」 「言え」 「……。」 「言わねえとただじゃ済まねえぞ」 軽く手に力を入れてみると、男は先程よりも苦しがっている。 「解った、いっ、言うから話してくれっ」 男を解放してやると、男は尻餅をつき、ゴホゴホと咳をしながら透を見上げながら言った。 「たまにこの人を見かけてたんだ。 とても綺麗な人だし、僕の好みだったから待ち伏せして…」 男の話を遮る様に、ガスッという音が響いた。 透の足が男の腹の上にある。 「ゲホッ、ゲホッ」 「くだらねえ事してんじゃねえぞ。 小さい子供がいるのに…いっぺん死ぬかこの野郎」 「ひいぃぃっ、すいません!すいません!」 先程の態度とは打って変わって、男は土下座をして謝り始めた。 「俺に謝ってんじゃねえ、この二人に謝れってんだよ」 「本当に申し訳ありませんでしたっ!」 「お姉さん、コイツどうする? 警察に突き出す?」 「う~ん…警察はいいや。 ただし…オラアッ!」 「ぎゃああああぁぁぁぁっ」 恵理の蹴りは男の股間にクリティカルヒット。 男はそのまま気を失ってしまった。 この時ばかりは、流石に男に同情してしまった透だった。
/265ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加