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新学期が始まってから一ヶ月が過ぎた。
百合華の人気は止まらず、今では全学年の人気者となっていた。
その頃から透と楓は、よろしくない噂を耳にしていた。
「チャーリー、それ本当?」
「ああ、本当だよ」
昼休み。
天気が良かったので、透・楓・チャーリー・涼平の四人で屋上で昼飯を食べていた。
「その話を聞いた時は、なんとなくやっぱりなって気がしたよ」
「それは俺も同感。
あんだけ可愛いんだもん、狙われない筈がねえさ」
チャーリーの話によると、どの学年の生徒かは定かではないが、百合華にストーキングをしているとか。
はたまた、盗撮をされたり…という被害にもあっているらしい。
最近ではエスカレートし、家の近くまで尾行している奴もいるとかいないとか。
「被害届出しちゃえばいいのに」
「バ~カ、仮にもうちの学校の生徒だろ?
いきなり警察には言えないさ」
「でも、精神的にはかなり辛いだろうな」
パンを頬張りながら、話に参加する透。
「だよな~。
少し見張るか。
俺も仲間内に話しておくし」
「いや、あんまりおおっぴらにするのは返ってよくねえだろ。
これは俺達だけで留めておこう」
「そうだな。
百合華ちゃんも学校来づらくなっちゃうし」
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。
「あ、予鈴だ」
「あ~、次数学じゃん。
透達は?」
「うちは科学だったかな。
移動教室じゃん
おい、急ごうぜ」
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