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それから三日後の土曜日。
土曜日なので学校は無く、家でボ~ッとしながら休みを満喫している透。
「さ~て、今日は何をして一日を過ごそうかねえ」
楓とチャーリーはバイト。
涼平は彼女とデート。
珍しく一人だった透だった。
「バイク飛ばして海でも行くかなあ」
そんな事を思いながら、入れたての紅茶を一口飲む。
「そういえば隣が騒がしいな。
遂に誰かが越して来たのか?
まあ、どうでもいっか」
お気に入りのZippoで煙草に火を付ける。
大きく煙を吸い込み、ゆっくり吐き出していく。
ゆらゆら揺れる煙を暫く見つめてから、再び紅茶を一口飲む。
TVをつけてはいるものの、耳に入り込んでは抜けていく。
時計の秒針さえ聞こえない程、珍しくゆったりとしていた。
ゆっくりと流れていく時間に身を任せ、時刻は夕暮れ時となる。
窓からさすオレンジ色の夕陽が、透の頬を染めていく。
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