呼ばれて飛び出すおバカさん

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始業式の日。 本日より二人は晴れて高校三年生。 本来ならば起きなくてはいけない時間に差し掛かっているのだが、全く起きる気配の無い透。 その隣で透宅に来ていた楓が、め○ましTVを見ながら煙草を吸っている。 (※良い子も悪い子も、煙草&酒は20歳になってから) 「さて、どうしたもんかなあ」 独り言を呟いてみる。 当然返事は返ってこない。 おもむろに立ち上がると、テーブルの上に片し忘れたであろう水性ペンを持ち、透の眉間にペンを滑らせていく。 大した時間を費やす事もなく、透の眉毛は見事に繋がった。 それだけでは飽き足らず、今度は瞼に目を描いてみようと試みた。 が、笑いを堪えるのに必死で、肩が震えてしまい上手く描けない。 周囲の女子からは、常に熱い視線を浴びている程のイケメン透。 しかし、今楓の目の前で眠っている透は、紛れもなくイケメンとは言い難い。 ♪カシャ~ン♪ 透の間抜けな顔の写メをしっかり撮り、その写メを透の携帯に送信。 そしてその写メを透の携帯の待ち受けにしてみる。 「よしっ! しゃ~ねえ、起こしてやるか」
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