呼ばれて飛び出すおバカさん

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「ぎゃはははははははっ!」 「ぎゃははじゃねえよ、バカ! 水性ペンだったから良かったけど、これが油性だったら…クソッ」 「そうカッカすんなって!」 「笑いすぎて涙目になってんじゃねえよ!」 何とか遅刻をせずに学校に間に合った二人だった。 初々しく制服を纏っている一年生達を横目に、壁に張ってあるクラス一覧表を見て自分達のクラスを確認すると、教室に向かった。 「俺達またクラス一緒だわね。 透君と同じクラスになれたなんて、楓ちょ~嬉し~い」 「うるせえ、クソチビ」 「ああっ!? てめっ、今何つった!?」 二人の賑やかな会話を聞きながら近付いて来たのは、同じクラスの高橋涼平だった。 「お前ら、本当に仲いいなあ」 「おっ、りょ~うへ~い」 「楓は存在が濃いな~。 そして、透の金髪が眩しすぎて顔が見えない」 言いながら、笑う涼平。 透達が通う「私立桜木高等学校」は服装や頭髪は自由で、どんな派手な服装や髪色をしても怒られない学校なのである。 「制服で全てを統一するのではなく、個性を生かした服装や頭髪の方が、それぞれ映えるってもんだろう」 これがこの学校の校長のモットーなのである。
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