23人が本棚に入れています
本棚に追加
「ぎゃはははははははっ!」
「ぎゃははじゃねえよ、バカ!
水性ペンだったから良かったけど、これが油性だったら…クソッ」
「そうカッカすんなって!」
「笑いすぎて涙目になってんじゃねえよ!」
何とか遅刻をせずに学校に間に合った二人だった。
初々しく制服を纏っている一年生達を横目に、壁に張ってあるクラス一覧表を見て自分達のクラスを確認すると、教室に向かった。
「俺達またクラス一緒だわね。
透君と同じクラスになれたなんて、楓ちょ~嬉し~い」
「うるせえ、クソチビ」
「ああっ!?
てめっ、今何つった!?」
二人の賑やかな会話を聞きながら近付いて来たのは、同じクラスの高橋涼平だった。
「お前ら、本当に仲いいなあ」
「おっ、りょ~うへ~い」
「楓は存在が濃いな~。
そして、透の金髪が眩しすぎて顔が見えない」
言いながら、笑う涼平。
透達が通う「私立桜木高等学校」は服装や頭髪は自由で、どんな派手な服装や髪色をしても怒られない学校なのである。
「制服で全てを統一するのではなく、個性を生かした服装や頭髪の方が、それぞれ映えるってもんだろう」
これがこの学校の校長のモットーなのである。
最初のコメントを投稿しよう!