23人が本棚に入れています
本棚に追加
「そういえばさ、新しい先生入ってくるみたいだよ」
涼平の話に食い付いたのは楓だった。
「そうなの?どんな奴だろ?」
「さあ?
一部男子生徒の間では、滅茶苦茶綺麗な先生が入ってくるなんて噂されてるけど」
「噂は所詮噂だろ?」
さりげなく透も話に入る。
そんな他愛もない会話をしていると、校内放送が流れた。
「全校生徒の皆さん、おはようさんです。
これから始業式をやるんで、適当に体育館に…痛っ!
先生、ぶたなくてもいいじゃんか!」
「バカ、ちゃんと放送しろっ!
え~、とにかく全生徒は速やかに体育館に来る様に」
ドッと笑いが吹き荒れる。
「今のは…チャーリーだなあ」
「あの声はチャーリーだよなあ」
「相変わらずバカだなあ。
後でからかってやろう」
体育館に向かう途中、熱い視線を受けまくりな三人。
すれ違う女子達は透達をうっとりとした目で追い掛けた。
「ねえ見て、透君達だ!」
「また見られる日々が始まるんだね~」
「うわっ、今目があった!」
たちまち女子の視線は透達に注がれる。
それが面白くないのは男子達だが、自分と比べてしまえば勝ち目がないのは一目瞭然なので、何も言えないのだった。
最初のコメントを投稿しよう!