呼ばれて飛び出すおバカさん

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校長の話が終わると、各クラスの担任発表と新しく来た先生の紹介だった。 今回新しく来た先生は四人。 学年主任に紹介された四人は、壇上に上がって挨拶をしていき、自分が受け持つクラスを発表していく。 そして…。 男子生徒が一斉に声を上げた。 それまでボ~ッとしていた透だったが、周りの声で我に返り、何事かと壇上へ目をやる。 そこにはスーツ姿の女性がいた。 栗色の長い髪、白い肌に大きな目、背は小さめの女性は今まさに壇上に上がった所だった。 「初めまして、星野百合華(ゆりか)です。 今日からこの学校のお世話になります。 頼りない所がたくさんあると想いますが、よろしくお願いします」 男子達は更にヒートアップしている。 「透っ、あの人すんげ~可愛くない?」 「ん~、可愛いんじゃない?」 「お前冷めてんなあ、やる気あんのか」 「何のやる気だよ。 てか、何でお前そんなに興奮してんのさ」 「そりゃあ興奮するさ~。 あんな可愛い先生が担任なら、俺はこの一年間無遅刻無欠席!」 「バカだろ、お前」 「それでは私が受け持つクラスを発表します。 え~と…3-Dです。 3-Dの皆さん、よろしくね」 すると男子達は口々に「俺のクラスに来て~っ!」と騒ぎ始めた。 それを制止する先生達。 「よっしゃあ、俺達のクラスじゃん!」 「はいはい、良かったな~」 楓の相手をするのが面倒くさくなった透は、適当に返事をしたのだった。
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