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教室に戻ると、男子は嬉しそうな顔をしながら喋っている。
そんな男子を冷ややかな目で見ている女子。
楓は他の男子と、先程の先生の事ではしゃぎまくっている。
「あ、そういえば携帯…」
そう思って携帯を見てみると、待受画面には何故か朝の間抜けな自分が。
「っ!?
hideちゃんを待ち受けにしてた筈……楓か…!?」
席を立つなり吐き捨てる透。
「おいぃぃぃぃっ、楓!
なんじゃこりゃあぁぁっ!」
「ん?
あっはっはっは!
今頃気付いたの?」
朝の出来事を思い出し、また笑い出す楓。
透と楓のやり取りを見ていた女子が、二人に声を掛けてきた。
「え?なになに?」
「うおあっ、見るなあ!!」
ドタバタと騒いでいると、スライド式のドアが勢いよく開いた。
顔を覗かせたのは百合華だった。
「ほらあ、みんな席に着いて~」
「はぁ~い!!」
鶴の一声というものだろうか。
それまで騒いでいた男子達は、素直に自分の席に戻って行く。
そんなあからさまな男子達の態度に、女子は呆れ返っていた。
「じゃあ、これからHRを始めるね。
まずは改めて自己紹介でもしようか」
そう言って黒板に自分の名前を綴っていく。
「星野百合華です。
よろしくね」
すると、元気よく手を挙げたのが田村だった。
「あいっ、先生質問タイム!」
「えっ、いきなり?」
「まあまあ、気にしないで~。
先生の好きな男のタイプは?」
「ベタなところきたねえ。
ん~、やっぱり優しい人かな?」
「他には?」
「そうだなあ…背が高い人がいいなあ」
「ぐはあっ、俺ダメじゃ~ん」
「お前自分の顔鏡で見てからそういう事言えよな~」
楓の鋭いツッコミは、後に田村の心を深く傷付けたがそんなん楓には関係無かった。
無自覚は時として恐ろしいものである。
「よし、じゃあみんなにも自己紹介してもらおうかな。
廊下側の一番前の…え~と、相田君からよろしく」
こうして自己紹介が始まった。
そして楓の番に。
「宮瀬楓です!
楓って呼んでね」
女子達から「キャ~ッ!」と言う声が聞こえたのは言うまでもない。
「宮瀬君ね、よし、覚えた!
じゃあ、最後に芳村君ね」
先程よりも更に女子達がキャ~キャ~騒いでいる。
「芳村透です…え~と…よろしゅうに」
「えっ、何で最後関西弁!?」
楓のツッコミにクラスに笑い声が溢れる。
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