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~友~
オレは孤児院で育った。
家族は一人も居ない。
この状況では家族が居ない事を喜ぶべきだろう..
これでも人望には厚く、誰にでも優しくしてきた。
裁判ではオレという人間を知る何人もの友達が無実を得るために力になってくれた...
死刑という宣告が出てからも励ましの手紙が届く。
オレにはレイジという親友がいる。
毎週1通手紙をくれる。
これまでの人生が楽しい思い出でいっぱいなのは、レイジのおかげだろう..
オレは恩返しどころか、レイジを死刑囚と親友の男にしてしまった..
宣告された後、どれくらい泣いただろう..
その涙も今は枯れてしまった..
ここの生活は決して苦しいものでは無い。
自由とは離れているが、毎日フツーに生活している。
美味しくは無いが、まともに食事は出来る。
しかし、孤独というのは何よりもつらい。
発狂してもおかしくない。
今のところオレは『自分』を保っている...
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