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~衝撃~
『カズユキ...待って..』
ユミは泣きながら、そう言っていたんだろうがオレは振り向かなかった...
ユミのすすり泣く声が聞こえ、心に重くのしかかった...
その夜オレは久しぶりに泣いた。
明日にせまった死刑が恐いわけじゃない。
寂しかった、ただひたすら寂しかったんだ...
鉄格子のついた小さな窓から朝日が差し込んで、顔を照らした...
今日は死刑執行日。
気持ちは晴れていない..
無実という現実がオレを余計に苦しめた..
ホントに人を殺していれば素直に死刑を受けたのだろうか...
カツカツカツカツ...
看守が歩いて来る音が聞こえた。
いよいよか...
オレは晴れない気持ちを無理矢理閉じ込めた。
『最後の面会だ。相手からどうしてもと頼まれたから特別に手配した。』
その言葉にオレは驚いた。
誰だろう?という気持ちを胸に看守について行った。
ドアが開き、そこに居たのはレイジだった。
オレが近くに行くとレイジがつぶやいた..
『すまない..』
レイジがつぶやいた...
『えっ....』
オレは戸惑った。
『オレなんだ....』
涙を流しながらレイジがそう言った。
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