退屈

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拓也「おはよう!」 今日、目が覚めてから、初めて声を出す。 相手は父さんでも、母さんでもない。 ………下駄箱の上に置かれた金魚鉢の住人、“絵梨那”だった。 拓也「待ってろよ、今エサをやるからな」 そばに置いてあった金魚のエサを、パラパラと金魚鉢の中に落としてやる。 “絵利那”は軽く尾ひれを振りながら、静かにエサを食べ始めた。 拓也「んじゃ、今日も留守番頼むぞ」 金魚鉢を指でコツコツと叩いてから、拓也は扉を開け、家の外に出た。
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