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あちこちで悲鳴や銃声がこだまする。
霞んだ緑色の軍服を着た潤もその戦場の中にいた。
時は2050年。政府はもう自らの国さえ統一する事もままならなくなっていた。
国をまとめる強攻策として取ったのが軍事的能力で国民を押さえ付ける事。
歯向かう者には銃を突き付け、逃げ惑う者はどんな手を使っても拘束し、自由を奪う。
歯向かう者の中でもより酷い反逆者には銃を突き付けるだけではなく、その引き金を引き、もう何人もの人間を政府は殺して来た。
そう、政府の人間は、感情を失ったロボットのように人を殺す事にさえ何も思わなくなっていた──
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