名台詞/Feb

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唇を触れ合わせるだけの、可笑しなくらい子供っぽいキスなのに……。 ふたりともぎこちなくお互いを抱きしめている。 離れてしまうとぬくもりが消えてしまいそうで。 柔らかくて……これが夢なんじゃないかって思えて。 長く長く、ずっと…… 華奢な身体を壊さないように――でも、強く抱きしめる。 いとしくて、弱くて、大切なモノだから。 ……胸が痛い。 抱き寄せられている音夢の胸から感じる鼓動も、信じられないくらい早い。 「……ん」 音夢が顔を離す。 「……はぁ……ん……難しい」 「息止めてたのか?」 「だって」 軽くうつむいて、音夢が胸元で手をもじもじとこする。 「…………」 「嬉しいね……幸せすぎるよ……兄さん」 「音夢……」 そっ、と。 羽のように。 どちらからともなくまた、ぎこちないまま、唇を重ねる。 「…………」 「…………」 by 朝倉純一&朝倉音夢/D.C.image=133758941.jpg
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