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場所は変わり、ここは朝の学校。
時刻は七時頃で、まだ登校する生徒は少ない。
そこに一人の少女が鼻歌を歌いながらやって来た。
茶色いショートヘアの左上で、歩調に合わせて跳ねるヘアゴムの赤くて丸い飾りが、彼女の幼さを際立たせているようだ。
少女は校門を潜り、何やら校舎を眺めている。
「…ふーん。これが学校?」
嬉しそうに笑みを浮かべ、誰に言うでもなく呟いた。
傍[ハタ]からすると、変な台詞である。
この学校の制服を着ているので、生徒なのは間違ないだろう。
「んふふっ、なんか楽しくなってきた♪」
再び鼻歌を口ずさみ、少女は軽い足取りで校舎に入って行った。
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