第四話『一度目の封印』

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少女「はい、メリーさん」 少女は誕生日に貰った人形と、おままごとをして遊んでいた。 やはり、両親は仕事で出掛けている。 少女「あーこらー、ダメでしょ」 人形がご飯を散らかしたようだ、端から見ればほほえましい光景だ。 その時。 プルル プルルル 電話がなった。 前と同じ時間だ。 少女「もしもし」 やはり少女は何の疑いを持たず、受話器を取った。 「「私メリー今あなたのお家の前に居るの」」 あの声だ。 さすがの少女も恐ろしくなり、すぐ切ってしまった。 少女「ねぇメリーさん、君は悪い事しないよね」 声が震えている。 人形は喋らない。 『メリーさん』を抱え部屋の隅で怯えている。 プルル 鳴っている。 プルル プルル ためらいながらも、出る事にした。 少女「もしもし!お母さん?」 「「私メリー今あなたの部屋の前に居るの」」 少女はひぃっと声をあげ受話器を投げドアから離れた。 人形をいままでに無いほどの力で抱きしめている。 受話器と後ろから聞こえた。 「「今あなたの後ろにいるのぉおお」」 張り裂けんばかりの悲鳴。 恐怖で動けない少女は固く目閉じていた。 「「なんだぁおまえは私の邪魔をするのかぁあああ」」 謎「させない。僕を大事にしてくれているこの子を君が殺す必要も無いはずだ」 少女は謎の声を聞き目を開く。 そこには、人形と同じ姿をした少女とただ黒い人型の少女が取っ組みあっていた。 謎「君の持っている人形をくれないか?」 まだ震えている少女は、恐る恐る手渡した。 手渡した瞬間だった。 白い少女と黒い少女は光に包まれうぉおおという声とぎぃやああああという声を残して消えてしまった。 いや、人形へ吸い込まれてしまったのだ。 わけもわからない少女は、人形があたしを守ってくれたとだけ思うことにし、その恐怖と安堵からか人形を抱いて寝入ってしまった。 少女は夢をみた。 「僕をずっと大事にしてね」 白い少女は去っていた。
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