第五話『記憶と人形』

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メリー「あの時の娘の息子…」 少女の遠い昔の記憶。 この少女が生まれた理由。 あの少年に出会った時の懐かしい感じがした訳が今わかった。 メリー「そうか、だから」 これが運命【さだめ】か、と少女は呟く。 そして、封印が解けてしまった今。 あの時より力を増しているあの少女を止めることが出来るのか。 少女は立ち上がり、両手を広げた。 光が集まり少女を包み込む。 光は次第に小さくなり消えた。 キーンコーンカーンコーン。 少年の学校の終わりの鐘だ。 あの事件を最後に特に何も起きていなかった為、一斉帰宅は解除されていた。 ガヤガヤ。 さよーならーと言う声が所々から聞こえる。 やはり少年はだれよりも早く校門を出た。 少年は方角が一緒の友達が居ない為、少し淋しげに歩いていた。 ツカツカ。テクテク。 少年「?」 後ろの方で柔らかい足音。 疑問に思い振り向いた。 メリー「やぁ、びっくりしたかい?」 振り向けばそこには、夕日を背にした金髪の少女。 少年はビックリと言うより嬉しさが大きかった。 また会えたと。 少年「メリー!!どこ行ってたの」 少年は、彼女が消えた後の言い訳をするのが大変だったとメリーへ文句を言った。 どこか、楽しげに。
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