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成長
茉莉と由良は小学五年生になっていた。
彼女たちはまだ純粋だった。
しかし…今日は茉莉の表情が暗かった。
『茉莉~!!』
『由良…』
『どうしたの??』
『…』
『茉莉??』
『あのね、由良…』
『改まってどーしたの~??』
『あたし東京に引っ越すの!!』
『…転校??』
『……』
『え…茉莉??今日はエイプリルフールじゃないよ…??』
『嘘じゃないよ…。』
『だって…そんな急に…嫌だよ…』
由良の瞳に涙が浮かんでいた。
『ごめんね…由良…』
『謝らないで…』
『……っ由良!!』
『…茉莉ぃぃ!!』
二人は泣いて叫んだ。
そして…
『転校て、いついなくなっちゃうの??』
『来週…』
『そっか…』
『転校しても友達でいてね??』
『うん!!文通もするんだから!!』
―――…
『由良…あたしが東京に行っても忘れないでね…??』
『忘れないよ!!それ以前に忘れられないと思う!!』
『…ありがとう。』
「茉莉…そろそろ…」
『…うん』
「…由良ちゃんも元気でね…」
『はい…!!』
『じゃ…あね??由良…』
『…また会えるから!!』
『由良…』
フッっと笑って、茉莉は車に乗り込んだ。
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