その先

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 まばゆい光が段々と押し迫る。  出口だわ。  やっとここから出れる。  半円のドームのような出口から外へ、一歩踏み出した。それと同時に、今までの比にならない程の光が、目を灼いた。  思わず、目を強く瞑る。  瞼の裏で光がチカチカと絶え間なく瞬いた。  瞬きが治まった頃、ゆっくりと目を開けた。  白い光の波が、段々とひいていく。  光の波の隙間から目に映ったのは、真っ白な布で作られた大きくて滑らかなオブジェ。  また布?  正面からハッキリ見えないから、体をズラしてそのオブジェを眺めた。  オブジェ……なのかしら。  なにか、見覚えがある。  そのオブジェ以外に目を向ければ、辺り一面が白い布で出来た世界。無機質で、冷たい。  だけど、あたしはこの場所に見覚えがある。なんなのかしら。        
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