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カズマはズボンを引っ張っているラグの頭を撫で、両脇をつかみだっこをした。ガルンは片手で軽々と首根っ子を掴んでいたがカズマにとっては予想以上の重さだった。
「だっこしたのはいいけど、どうしよう。」
抱いたまま悩んでいると、ラグが急に羽をばたつかせはじめた。
<がうっ!>
どうやら早く遊べと怒っているみたいだ。
「うわっ!わかったから噛むな!ここじゃ狭いから外へ出よう!ね、ラグ?」
カズマはラグを抱いたまま庭へ出た。
庭は喫茶店の裏にあり、洗濯物を干すところや、井戸、畑や果物の木などかたくさんあった。
「よし、ここなら走ったりできるな。」
ラグを降ろすと、急に走りだした。カズマが追い掛けると、ラグは捕まえてみろという仕草で挑発をした。
「へぇ、鬼ごっこか。僕とやろうってのか、いいだろう!」
カズマはラグに向かって一直線にダッシュした。
<ぎゃう?ぎゃ!?>
ラグが振り向くと数メートル後ろにカズマが迫っていた、びっくりしたのか、全速力で逃げ出した。
そんな攻防が数時間、両者とも時間を忘れ夕方まで続いた。
疲れ果てて両者は木の下で仰向けに倒れていた。
「はぁ、はぁ、つかれたぁ。」
するとラグがカズマの上に乗っかってきた。そのまま顔を近付け舌でカズマのかをを舐めはじめた。
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