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目が覚めると薄暗い部屋にいた、日が少し差し込み、部屋を照らすがまだ暗い。
「ここは…いつつつ…。」
殴られた部分に手を当てると、かなり出血していた。額から頬をつたって血が滴れてきた。
「こんなに血が…そうだ、ラグは!?」
部屋を見渡すと部屋の隅にラグが倒れていた。
「ラグ!何でこんな血だらけなんだよ!」
所々から血が滲み、小さな翼は骨が折れていて、前脚の爪が何本か折れていた。それでもゆっくり目を開けてカズマの顔を見ていた。
「ラグっ…ラグ!大丈夫?何でこんな傷だらけなんだよ…。」
[君を守るため…。]
ふとあの声が聞こえた。
「…ラグ?」
[君を守るため。カズマを守るため立ち向かった。でも無理だった。]
またあの声だ。しかも今度ははっきりとカズマの名前を言っていた。
「…やっぱりラグなんだね。」
[やっと届いた。ボクのココロの声が。]
するといきなり部屋のドアが開いた。そこにはさっきの二人がいた。
「おい小僧、何やってる?」
カズマは立ち上がり獣人達を見た。
「お前達が、お前達がラグをこんなにしたんだな。」
「ラグ?ああ、このちびドラゴンの事か。ちょっと遊んでやっただけさ。」
「遊びすぎて骨まで折っちまったがな…ヒャハハハ。」
その不快な笑い声を聞いてカズマの顔が怒りへ変わった。
「貴様らぁぁぁぁ!!」
獅子獣人の顔面目がけて拳を突き出した。があっさり避けられカウンターのキックを食らった。
「うぜぇんだよ!ガキが!」
そのまま壁に叩きつけられ顔面を数発殴られた。
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