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「ぐわっ!」
熊の獣人の声が聞こえた後激しい衝撃音が鳴り響いた。カズマは目を開けるとそこには…
「ド…ドラゴン?」
目の前には獣人達と同じぐらいの背をした竜人が立っていた。黒い鱗をしていて、腕からは紫色の波動のようなものが出ている。
「ボクのカズマをいじめるな。」
直ぐ様竜人は熊の獣人に近づき顔面に数発パンチを放った。部屋の壁を突き破って外へ放り出された。
外から光が入り竜人を照らしだした。その顔は凛々しくはなっているもの、ラグの面影が十分に残っていた。
「ら、ラグなのか?」
恐る恐る竜人に問い掛けると、竜人はコクリと頷いた。
「このっ…よくも相棒を!」
獅子獣人はラグの顔面にパンチを放った、ラグは避けずにわざと食らった。
だがビクともしていなかった。
「この手で…ボクのカズマを傷付けたんだな。」
直ぐ様手を取り口を開いてガブリと腕に噛み付いた。
獅子獣人の断末魔が部屋中に響いた。
「この程度じゃ済ませない…ボクのカズマを殴った腕だからなっ!」
口を放したと思いきや、今度はさらに力を込めて噛み付き、さらに磨り潰すように顎を動かした。すると断末魔と供にベキリという鈍い音が鳴った。
「骨が折れたか、そろそろ放してやる。」
口を放し、押さえていた獅子獣人を解放する、腕は完全に折れていた。
「本当は丸呑みか噛み砕いてやりたい所だがカズマがそれを望んでいないだろう。さあ、ボクのカズマの目の前から消えろ!」
獅子獣人は走って逃げて行った。
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