29人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
「へえーこの世界を知らない。だから俺をみてあんな驚いてたのか。」
狼男は自分で入れたコーヒーらしきものを飲みながら僕に言った、その横では黒い鱗で覆われた爬虫類がまだ寝息をたてていた。
さっきまで床にいたのをテーブルにおいていいものなのか?
「ん?ああ、違う世界から来たってことはドラゴンも知らんワケか。」
僕の知ってるドラゴンはこんな可愛らしいものじゃない、もっと恐ろしいものだ。
僕は狼男が入れたコーヒーらしきものを手に取ろうとしたが、すぐに手を引っ込めた。実際この世界のものはよく判らない。
「別に飲んでも大丈夫だぞ?この世界の亜人族だって飲めるからな。あ、亜人族っつーのはこの世界で言うお前みたいな人間のことを言うんだ。」
狼男がはきはきと話す。そういわれ僕はコーヒーをらしきものを口にはこんだ。
「に、苦い。」
確かにコーヒーだが僕には砂糖が大さじ二杯ほしいところだ。
「はっはっは!確かに砂糖もミルクも入ってないからな。」
狼男がまた声をあげて話しはじめた。すると隣で寝ていた爬虫…いや、ドラゴンが目を覚ました。欠伸をして、背中に付いている小さな羽をばたつかせると、狼男をまじまじと見つめた。
こうみると僕のなかのドラゴン像か崩壊していく。
最初のコメントを投稿しよう!