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僕は一瞬何を言いだすのかと思った。確かにお金はないし行く宛てもない。正直ここで働きつつ情報を仕入れたほうが確実だ。だが僕は迷っている。
「え?何故です?」
「正直、町に行ったところで飢え死にするぞ?それにここは喫茶店だ、色々な客が来るし、たまにだが、王宮関連の人も来る。うまくいけば帰る方法だってわかるかもしれないぞ?」
この人は超能力者か?僕の考えていることはすべてお見通しみたいだ。
「でも、あなたに迷惑が。」僕がそういうと。
「いや、こっちも人手が足りなくてね、君がここで働く、俺は情報を仕入れて帰る方法を探す、よーするにギブアンドテイクって奴だ。」
意味がわからないが、僕はその条件を呑むことにした
「わかりました。色々とお世話になります…えっと。」
今の今まで喫茶店の店長の名前を聞いていなかった、それに僕も自分の名前を言っていない。
「よし、そうなったら自己紹介しないとな。俺はガルン、君の名前は?」
「僕は、篠原一真(しのはらかずま)です。あ、このドラゴンにも名前ってあるんですか?」
夢中でクッキーを食べている…性格に言うと丸呑みしてるだが、ドラゴンの名前について聞いた。
「あ、こいつはラグ。ちなみに属性は…っていってもわからんか。」
こうして、僕の異世界での喫茶店生活が始まった。
ガルンさんとラグ、そして僕。元の世界とは違う不思議な生活の始まりだ。
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