ある夏の日

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私の身体は固まりました。洋式便器の、閉じたフタと便座の間から、長い髪がゾロリとはみ出ているのです。友人も、それに気付きました。剛胆な友人は、私が止めるのも聞かず、便器のフタを開きました。その中には、女の人の顔だけが上を向いて入っていました。まるでお面のようなその女の人は、目だけを動かすと、竦んでいる友人を見、次に私を見ました。 彼女はわたしが止めるのも聞かず、便器のフタを開きました。その中には、女の人の顔だけが上を向いて入っていました。まるでお面のようなその女の人は目だけを動かすと、立ちすくんでいる友人を見、次にわたしを見ました。
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