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私がほしいもの
肩甲骨から生える
揚羽蝶の羽
蝙蝠の羽
悪魔の羽
天使の羽
妖精の羽
人は羽をなくした
刃で切り落とし
血を流し
さらには傷を抉り
足元には血溜まり
抉った傷は痕を残して
背中で主張する
哀しみを忘れるな
自由を失った哀しみを
背中の痕は
未だに自由を欲しがる
これが
人が哀しみを知った日
心の傷は
すべて肩甲骨に溜まり
瘡蓋となって
時々剥がれ落ちる
哀しみを忘れるなと
血を流して主張する
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