6人が本棚に入れています
本棚に追加
淡々と口元の笑みを消して私が答えていると、『ペット』は視線を私から外して俯いた。
私は『ペット』から視線を外す事無くじっと見ていると、ぽつりと呟いた。
「……のど、かワいた…」
「……喉が渇いたの…なら水でも持ってきてあげようか?それとも、アナタの好きなトマトジュースにしようか?」
ああ、我ながらわざとらしい事を言っている。
けれど私はちゃんと『ペット』の口から聞きたい。
だから、わざとっぽく…ね。
案の定、こういう時だけは素直な可愛い『ペット』は「ちがう」と言って俯きながら小さく首を横に振った。
「ほしい……ほシイんだ…」
「『欲しい』だけじゃダメだよ。ちゃんと言わないと、私には分からないでしょ?それに…」
そっと右手で俯いた『ペット』の頬に手を当てて、顔を上げさせて私の方を向かせる。
「私に何か言う事、あるんじゃないの?」
やはり『ペット』の目をじっと見つめながら私は問いかけると、私と同じようにじっと見つめながら『ペット』は少し間を置いて言った。
最初のコメントを投稿しよう!