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「やクそく、やぶった…から…アやまる、する…」
「そう、アナタは約束を破ったの。前に教えたよね…何て言わなきゃいけないんだっけ?」
「……やくそく…ヤぶって、わるかった…すまなかった…」
「………今度やったら、次の週まであげないからね?」
私の言葉に『ペット』は一つ頷く。
その素直さに気を良くした私は、『ペット』の頭を「よしよし」と言いながら撫で…再び問いかけた。
「アナタは、“何”が欲しいの…?」
「“ち”…おまえノ……“ち”がほしい…」
「そう……じゃあ…あげるわ」
壁に手をつくのを止めて床に座ろうとすると、『ペット』は私の腰をそっと引き寄せて伸ばした足の上に座らせてくれた。
服が少し冷たく体が密着するかしないかの微妙な距離で…『ペット』を少しだけ見下ろす高さで、物欲しそうな目で私を見上げてくる。
その時の目も堪らなく好きな私は機嫌良く『ペット』の目の前に左手の人差し指を向ける。
「血、止まっちゃったかな?」
「……すうから…いい…」
そう言って『ペット』は少し俯くようにして私の左手をそっと握り、人差し指を口に含む。
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