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「私はアナタに血をあげてるのは只の善意。それはアナタが苦しそうで、私の血を求めてたから…だから私はアナタに血をあげなくても別にいいんだ……けど、アナタはもう、私の血がないとダメなんでしょ?
私の血がないと、きっと今以上に喉が乾くよ。他の人の血を吸って力が手に入っても、その渇きがさらに癒せなくなってしまうんだよ……大変だねぇ…?」
小さく口元に弧を描きながら、目は『ペット』の双眸から逸らす事無くじっと見つめながら私は冷たく他人事のように言った。
事実、私は嘘をついていない。
私は本当の事を言ったまで。
私は『ペット』が苦しそうだったから、だから私の血を与えただけなのだから。
後は『ペット』がどう反応するかを待つだけ…。
そうこう考えていると、『ペット』の片手が壁をついている私の腕を恐る恐る掴んできた。
視線をチラ、とそちらに向けて『ペット』へとすぐに戻す。
すると理性が戻ってきたのか…先程の獣のような眼差しは少しずつ、落ち着いてきた。
「………おこって…ルか…?」
「怒ってるよ」
「…オレが、やくソく……ヤぶったから…か…?」
「そう」
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