渚の決断

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「…っ……渚っ、最高っ!」 そう… 茜くんだ。 「俺でももうちょっとマシな絵描けるよっ!」 「茜先輩っ…」 歩くんが抑えようとしてくれたみたいだけど… ま~ぁ、このお坊ちゃまは。 「はははっ、腹痛てー!」 全力で笑いやがりました。 「おい茜!笑い過ぎだぞお前!俺達だって耐えてんのによ!」 ゴウ「アキ…!」 「あ…」 そうですよね。 みんな我慢してくれてたんですよね。 「わ…悪りぃ。」 お心遣い感謝申し上げます。 それにしても… 「茜くん!約束が違うじゃない!」 「だって、ここまでとは思わなかったしっ!」 「し、失礼な!」 少しふてくされた私は恥ずかしさを抑えられず俯いた。 すると… 「…はは…そういうところもそっくりなんだな……」 「え…?」 あんなに腹の底から笑っていた彼が… 切なげにそう呟いた。 「誰の…こと?」 今度は聞き逃さなかった。 誰にそっくりなの? 「渚っ!」 「?」 昭斗くんが焦るように割って入った。 「あ、いや…その、何だ…」 とりあえず止めてはみたものの、その先を考えていなかったような様子だった。 咄嗟の行動とでもいうのだろうか。 他のみんなも何が起きているのか分からないような様子で、ただ呆然と立ち尽くしていた。 一気に空気が変わった 。
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