渚の決断

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その後はみんなでスカイガーデン内にあるレストラン「パ・ド・セリュ」で昼食を済ませた。 3年9組は元々存在しない。 だから軽蔑されるのも無理ないと思う。 少しの時間だけど、私でもそれは嫌ってほど味わった。 でも、それは一部の人達だけなんだということを知った。 そのレストラン内にて… 「ねぇ、見てあそこ!新しく9組に入った女の子じゃない!?」 「あ、ホント!茜様もいらっしゃるもの!」 また、聞きたくなかった会話が耳に入ってしまった。 「あの、宝堂さんってあなた?」 話しかけられた。 「そうですけど…」 嫌な予感… 「やっぱり!よろしくね!あたし3年8組の喜多川千春(きたがわちはる)!ちーちゃんって呼んで!」 「え?」 よろしくって… もしかして歓迎されてる? 「同じく8組の美山里香(みやまりか)よ。どうぞよろしく。」 握手を求められた。 どうしよう… 「隣のクラスの子だよ。良かったね、女の子の友達ができて。」 心弥さん… 私、疑い過ぎてるよね。 あんなことがあったから… せっかく話しかけてもらったんだもん。 きっと大丈夫。 「うん、よろしくね。」 そう返し、この学校に来て初めて女の子と握手を交わした。
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