渚の決断

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「渚が危ない目に遭ったってのに話すまでのことでもないと?」 「い、いや…それは…」 「他に知っていた者は?」と茜くんが言うとコウくん、リョウくん、心弥さん… そして小さな勇者ゴウくんが静かに挙手した。 でも… 「あの、茜くん!あれは私がいけないの…みんなは私を助けようとしてくれただけで」 「分かってるよ。そんなことは。」 今の茜くん… すごく冷たい目をしてる。 「仲間を助けるのは当たり前のこと。俺はね、そういう意味で怒ってるんじゃないんだよ。」 別人みたい… あ… 私こういう茜くん見たの初めてじゃない。 茜くんと最初に出会ったとき。 この彼を見たんだ。 「渚にまだ言い忘れてたことがあった。」 何だろう… 「トラブル報告。」 「…トラブル報告?」 「俺にとって不祥事と判断されるものは何であろうと全て報告してもらう。当然、仲間の危機も範囲内。」 なるほど… やっぱりこの人… ただ者じゃない。 すごい威圧感… 「これは3年9組に在籍する以上必ず守ってもらう“絶対の掟”。」 こっちが本物の茜くん…なの? 「この掟を守れなかった者には当然ペナルティを負ってもらう。」 「ペナルティ……」 私のせいだ…
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