渚の決断

16/19
前へ
/336ページ
次へ
「心弥はこれから一週間、俺と一緒に朝の挨拶運動をやってもらう。」 「僕は構わないけど…コウたちの面倒が…」 そっか。 心弥さんが朝食の用意とかしてるのかも。 「2人とも、大丈夫だよな?」 「うん…がんばる!」 「…うん。」 本当に大丈夫なのかな… 心配だ。 「で…ゴウ。お前は勇気を出して渚を守ってくれた。だから…」 よかった。 そうだよね。 だってゴウくんのおかげで私は助かったんだもん。 「特別なご褒美をあげよう。」 「………。」 あれ? なんかゴウくんの表情が硬い。 元からだけど、いつにもまして。 嬉しくないのかな? 「コウと同じく“白蝶祭”の大トリ“ペアコン”に出場させてあげる。」 「…それってつまり。」 「“そういうこと”。意味分かるね?」 「………。」 全然分かんないけど… 本当にご褒美…なんだよね? 全然嬉しそうじゃないけど… 顔に出てないだけかな? 「ゴウ…ガンバ!」 何故かコウくんに励まされてる。 「最後に…昭斗。」 「おぅ…。」 「お前は助けに行ったにも関わらず特に何もせずに帰ってきたらしいな?」 「何もってことはねぇよ!全力で走り回ったさ!ただゴウの方が発見が早かったってだけで」 「言い訳はいい。どうせ黙っとくよう指示したのはお前だろ?」 なんで分かったんだろう… そこまで話してないのに。 長年の付き合いによるものとか? 「責任が一番重いのは確実にお前だ。昭斗には明日から二週間、渚を家に泊めてもらう。」 「な、何ィ!?」 って… こっちが言いたいわぁぁぁ!
/336ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加