渚の決断

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こうして明日から二週間。 昭斗くんと一つ屋根の下で過ごすことになってしまった。 ─… 翌日。 教室にて、残りの3人も連帯責任によりペナルティを言い渡された。 灯也くんは今日から3日間、一人称を“オイラ”に強要させられた。 本人は「僕の美学に反します!」なんて言ってたみたいだけど、慣れてくると… 「よく考えたら、それくらいのことで僕の美が劣るはずないですよね!」と自分で納得し、すっかり受け入れたみたいだった。 キョウくんは今日から3日間、「馬鹿」と言うことを禁止された。 まぁでも灯也くんに対してよく放たれる言葉「馬鹿」は封印されたものの、代わりに「阿呆」が適用されただけであまりいつもと変わらなかった。 歩くんは… 茜くんから“何か”を頼まれたようだったけど詳しいことは分からない。 気になる。 そして放課後─… 音楽室を訪れた。 「失礼します。」 戸を開くと明るい声が迎えてくれた。 「待ってたよ渚ちゃーん!」 「リョウくん!」 ちゃんと伝えてくれてたみたい。 「とりあえず聴いててねー!」 そう言うと15名ほどの吹奏楽部員がそれぞれの楽器を持ち、手始めに一曲演奏してくれた。 懐かしいような… 昔どこかで聞いたような曲。 何だっけ…この曲。 演奏が終わり私の拍手が響き渡った。 「すごい!すごーい!こんなに素敵な演奏を聴いたの初めて!」 私は興奮していた。 みんなとても上手で想像以上に心に響いたから。
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