渚の決断

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「えへへ、ありがとう!紹介するね!部長の神原奈々恵(かんばらななえ)ちゃん!」 「初めまして。3-1の神原奈々恵です。あなたのことは良平から伺ってるわ。みんな大歓迎よ。」 大人っぽい人… 大和撫子みたい。 「初めまして!あの、今の何て曲なんですか?」 「あぁ、あれは“ヴァル・ノ・リア”っていう中世に作られた曲なんですって。言語は分からないのだけど、確か“まびとの子”っていう訳らしいわ。」 「まびとの子…?」 「詳しいことは分からないけど…とてもいい曲でしょう?」 「えぇ、とても!」 まびとの子… 何でだろう… 私この曲…いや、唄…? 知ってるような気がする… 「ねぇねぇ渚ちゃん!どう?吹奏楽部!」 「うん!私決めた!吹奏楽部に入りたいです!」 「わーい!やったー!部活でもよろしくねー!」 「入部してくれてありがとう。これからよろしくね。」 「はい!」 本当は… 演奏を聴いてみたかっただけで、入部することまでは考えてなかった。 他のみんなの部活も気にはなってたし。 でも… あの曲。 “まびとの子”が決め手となった。 なんで懐かしいと感じるのか… 突き止めたくなった。 きっと“何か”ある。 そう思えてならなかった。 「おーい、渚いるか?」 「アッキー!」 忘れてたー!
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